AI回答での露出を数値化するときは、何を数えたかを先に決めます。会社名が出た回数、サイトが引用された回数、訪問数は、それぞれ違う出来事です。一つの点数だけでは、次に何を直すべきかが分かりません。
Peecの指標ガイドとProfoundの計測ガイドは、ブランドの露出に加え、位置、引用、説明の傾向を扱っています。ここでは、手元の表でも確認できる定義に絞って説明します。各ツールの同名の指標と、計算式が一致するとは限りません。
最初に分母を決める
基本の集計単位を「取得に成功した一つの回答」とします。同じ回答に自社名が3回出ても、言及ありの回答は1件として数えます。
| 指標 | この記事での定義 | 分かること |
|---|---|---|
| ブランド言及率 | 自社名を含む回答数 ÷ 有効な回答数 | 計測した範囲で候補や説明に登場する割合 |
| 自社URLの引用あり率 | 自社URLを引用した回答数 ÷ 有効な回答数 | 自社ページが参照先として表示される割合 |
| 引用URLの内訳 | 引用先をURL別・ドメイン別に集計 | どの情報源が回答に現れるか |
| 説明の正確さ | 公式情報と照合し、誤りの内容を記録 | 修正が必要な料金・機能・条件など |
有効な回答の範囲も決めます。取得エラーは「言及なし」にせず、欠測として別に数えます。回答は取れたが引用欄が表示されなかった場合と、引用データを取得できなかった場合も区別してください。
言及率と引用あり率は一致しない
計算用の架空の例を考えます。100回実行する予定で、回答を取得できたのが80件、自社名が出たのが20件、自社URLが引用されたのが8件だったとします。
- 言及率は20 ÷ 80 = 25%。
- 自社URLの引用あり率は8 ÷ 80 = 10%。
- 欠測は20件。
この25%は、計測した質問と実行条件の範囲での値です。「AI検索ユーザーの25%に届いた」「市場シェアが25%ある」という意味ではありません。言及20件と引用8件には重なり得るため、足して28件の露出とも言えません。
また、80件の中で質問ごとの実行回数が違えば、多く実行した質問が全体に強く影響します。全体を見る際も、質問別の回答数を併記します。
数値から回答本文へ戻る
自社名が出ても、否定的な比較や古い料金の説明かもしれません。「言及あり」の中身を読んで、どの用途に適すると説明されたのか、条件や制約が正しいかを確認します。
引用URLも開いて読んでください。自社URLの引用がなくても、第三者の記事が自社を正確に紹介していることがあります。逆に自社ページが引用されても、競合の説明を支える情報として使われているかもしれません。
表に数値だけを残すより、該当する回答とURLに戻れるようにしておく方が、改善するページを選びやすくなります。
前週と比べるときに揃えるもの
質問セット、AIサービス、言語・地域、実行経路、集計方法を揃えます。特に、指名ありと指名なしは別に確認してください。変更した条件があれば、その日付をグラフや報告に添えます。
まずAIサービス別、質問の用途別に変化を確認し、その後で全体を見ます。一つのサービスの取得失敗が増えただけで、全体の比率が動くこともあるためです。少数の回答による上下を、すぐに施策の効果と結び付けないようにします。
流入と商談は別の記録で確かめる
AI経由の訪問は、アクセス解析で判別できた参照元と、問い合わせ時の申告などから確認します。AI回答を見た人が、後から社名を検索したりURLを直接入力したりした場合、アクセス解析だけでは、その前にAIを使ったかを判断できません。
顧客の申告も記憶に依存します。「AIがきっかけ」という申告と、解析上の参照元は別項目として残します。同じ商談を二重に加算しないようにしてください。
週次の報告には、計測条件、有効回答数と欠測、言及と引用、代表的な回答、流入・商談で確認できた事実、次に直すページを載せます。確認できていない収益効果を、露出の伸びから補完しないことが大切です。