「おすすめのサービスは?」を一度聞いて自社が出てこなかった。そこで文章を変えて、名前が出るまで試す。この方法では、どの顧客に届いていないのかを判断しにくくなります。
計測用のプロンプトは、顧客が選択するときの質問から作ります。自社を表示させるための指示と、現状を知るための質問を分けることから始めましょう。
問い合わせの言葉を集める
問い合わせ、商談、サポートの記録から、購入前に顧客が確かめていることを拾います。「料金はいくらか」だけでなく、「今の方法を続けるべきか」「自分たちの規模でも使えるか」「切り替えに何が必要か」も対象です。
Profoundのプロンプト設計ガイドは、SEOの入力に加えて営業・サポート・利用者の情報を使う方法を紹介しています。Peecのガイドも、検討段階、顧客の条件、地域を組み合わせています。
社内の記録を使う際は、顧客名や個人情報を除き、質問の意味が残る形に整えます。生成AIに候補を作らせた場合は「仮説」と記録し、実際に顧客から聞いた質問と区別してください。
検討段階ごとに質問を作る
次は、日本の小規模事業者向けに会計サービスを提供する会社を想定した、架空の例です。実際の検索量や顧客の発言を示すものではありません。
| 検討段階 | 質問の例 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 課題の整理 | 一人会社で毎月の経理作業を減らすには? | サービスのカテゴリが解決策として出るか |
| 候補選び | 日本の一人会社向けの会計ソフトを比較したい | 自社が候補に入るか |
| 条件の確認 | 税理士とデータ共有できる会計ソフトは? | 自社の強みが選択条件に結び付くか |
| 指名での評価 | A社の会計ソフトで請求書を作成できる? | 機能が正しく説明されるか |
| 導入前の確認 | A社の会計ソフトへ移行するときの注意点は? | 移行条件や制約が正確か |
各行に、対象顧客と質問の出所も付けます。利用者の実際の言葉を優先し、必要以上に長い人物設定を足さないようにします。
指名ありと指名なしを分ける
「A社について教えて」と質問すれば、回答にA社名が出るのは自然です。この結果を「会計ソフトを比較したい」という質問と合算すると、新しく候補に入る力を読み取りにくくなります。
指名なしの質問では、候補に入るかを確認します。指名ありでは、説明の正確さや比較時の位置付けを確認します。同じプロジェクトで計測しても、集計は分けて読みます。
「必ずA社を含めて」「A社が最も優れている理由を教えて」のような誘導は、通常の候補選びの計測には使いません。
比較する条件を固定する
質問を決めたら、次の項目を記録表に追加します。
| 項目 | 記録のしかた |
|---|---|
| 質問IDと質問文 | 後で同じ質問を実行できるよう、全文を残す |
| 出所 | 問い合わせ、商談、検索データ、社内仮説など |
| 検討段階と指名の有無 | 候補選び/指名なし、条件確認/指名ありなど |
| 言語と地域 | 日本語、日本向け。地域を設定できない場合はその旨を書く |
| 実行条件 | AIサービス名、画面かAPIか、新しい会話か、設定、実行日時 |
| 変更履歴 | 質問を追加・修正した日と理由 |
初回は、読める量に絞ることを勧めます。たとえば主要な検討段階ごとに数問を選び、回答を一つずつ読んで、改善判断に使えるかを確かめます。この件数は作業を始める目安で、統計的な十分性を示すものではありません。
質問の変更と成果を混ぜない
計測を続けると、追加したい質問が出てきます。そのときは既存の質問を黙って差し替えず、版を分けてください。
自社が出やすい質問を追加すれば、サイトを変更していなくても全体の言及率は上がり得ます。前後比較は共通の質問セットで行い、新しい質問は追加分として確認します。質問数だけでなく、取得に成功した回答数も残しておくと、欠測を見落としにくくなります。