顧客に関係する質問へAIが答えたとき、競合は紹介されているのに、自社の名前が出てこない。この差を調べ、改善先を絞るのがブランド言及のギャップ分析です。
対象は、すでに名前が出ている回答の順位改善ではなく、候補に入れていない質問です。質問から引用元へたどり、自社の情報がどこで不足しているかを確認します。
ブランドの言及と、自社ページの引用を分ける
ブランドの言及は、回答に企業名や製品名が登場することです。自社ページの引用は、回答が情報源として自社URLを示すことです。第三者の比較記事を根拠に自社が紹介されることもあるため、この2つは一致しません。
| 状態 | 確認すること |
|---|---|
| 外部の記載が多く、回答にも登場する | 情報の正確性と継続的な露出 |
| 一部の情報源に載り、回答でも紹介される | 紹介される用途や競合との差 |
| 少数の情報源に載るが、回答には出ない | 質問との適合性と情報の不足 |
| 競合だけが情報源と回答に登場する | 自社も対象になり得る掲載機会 |
最後の状態を起点に、以下の6段階で調べます。例として、小規模事業者向けの業務ソフトを扱う架空の企業を考えます。
1. 質問と競合を整理する
顧客像、製品、用途、購入検討の段階ごとに質問を分類します。「業務を効率化する方法」のような情報収集と、「少人数向けの製品比較」のような選定では、求められる回答が異なります。
自社と競合の名称、略称、表記ゆれも確認します。分類と名称が曖昧なままでは、本当は登場しているブランドを見落としたり、事業に関係のない質問を優先したりしてしまいます。
2. 自社が出ない、検討意図の強い質問を選ぶ
比較・導入に近い質問のうち、競合が紹介され、自社が紹介されていないものを探します。先に自社の対象顧客や提供範囲に合う質問へ絞ることが重要です。
架空の例なら「少人数で使える業務管理ソフトの比較」が候補になります。大企業向けの要件にしか答えない質問を、同じ優先度で扱う必要はありません。
3. 回答で使われる情報源を並べる
選んだ質問の引用元を集め、利用される頻度と、そこに載っている競合を記録します。期間、質問分類、サービスの条件を途中で変えずに比較します。
| 記録項目 | 使い道 |
|---|---|
| 質問と回答 | 自社が出ていない状態の根拠 |
| 引用URL | 確認・対応する具体的なページ |
| 引用された回数・観測数 | 一度だけの登場か、繰り返す傾向か |
| 掲載されている競合 | 自社と同じ比較対象を扱う資料か |
| 自社の掲載有無 | 情報提供の余地があるか |
引用頻度と競合の掲載数を組み合わせると、確認先を並べ替えやすくなります。例えば両者の積を暫定的な優先度に使えますが、掲載費や対象読者、情報の質まで表す点数ではありません。
4. 複数のサービスで使われるページを確かめる
全サービスを合算した一覧だけでなく、サービス別に引用元を比べます。複数で繰り返し参照される比較記事は、調査の候補になります。
そのページを実際に開き、自社名の別表記も検索します。すでに掲載されている、サービスの対象外である、情報が更新されているといった場合は、単純な「未掲載」として扱いません。競合がどの用途や条件で紹介されているかも確認します。
5. 媒体に合った対応を選ぶ
候補が決まったら、掲載の性質と媒体の方針に合わせて対応します。
- 情報提供:製品の対象者や新機能など、記事に関係する事実を伝える。
- 取材・PR:独自の調査、専門家の解説、実際に試せる製品を提供する。
- レビュー:利用者が体験を投稿できる適切な窓口を案内する。
- 広告・協賛:媒体の規定に沿って検討し、広告であることを明示する。
自社を優位に見せる表現の依頼より、読者が比較するために不足している事実を届けることが中心です。掲載とAI回答への反映は、それぞれ別の判断・観測になります。
6. 同じ条件で追跡し、次の質問へ広げる
連絡日、変更されたページ、変更内容を記録し、同じ質問群を追跡します。外部ページへの掲載、回答での言及、サイト流入は分けて確認します。
一度名前が出たことだけを成果にせず、複数回の観測で傾向を見ます。対応した質問で改善が見られたら、同じ方法をほかの重要な質問へ広げていきます。
